図案科の“謎ソング”にノリノリの嵩
現在放送中のNHKの連続テレビ小説『あんぱん』では、やなせたかしがモデルで北村匠海演じる柳井嵩(やない たかし)が、東京高等工芸学校図案科での学生生活を謳歌する姿が描かれている。
そこでは、嵩が早くも作詞の才能を発揮するシーンがあった。図案科の教師・山寺宏一演じる座間晴斗が、学生たちに図案科の歌「ワッサン」を歌うように指示。それは次のようなものだった。
「ワッサワッサワッサリンノ モンチキリンノホイ ヤカンリカンガ ヒッキリモッキリノ リーシャツプラポー シャツプラポーワサキュー リッキュラカリッキュラカ チャカランポー ウツ ウツパイパイウツパイパイ」
意味不明だが、なんだか口ずさみたくなる不思議な歌だ。ドラマでは教師の座間より「この歌詞を解釈してみろ」と無茶ぶりをされて、嵩が次のように応じた。
「嬉しいじゃないか、みんなで騒ごうぜ(ワッサワッサワッサリンノの部分)、難しい理屈なんて(モンチキリンノホイの部分)茶化してしまえ(ヤカンリカンガの部分)、自由に生きよう(ヒッキリモッキリノの部分)」
この即興芸に座間は感心。テンションを上げて、自らこう続けている。
「ワサビ酒ひっかけ(リーシャツプラポーの部分)、シャッポふってブラボー(シャツプラポーワサキューの部分)」
嵩はさらに「鬱な気分よ バイバイ!(「チャカランポー ウツ ウツパイパイウツパイパイ」の箇所)」と続けて、教室を盛り上げることになった。
実は、この図案科の歌はやなせがエッセイで書いており、実在するもの。そしてドラマで当てられた歌詞は、やなせが当時を振り返って「頭の中で勝手に翻訳して歌っていた」と後に明かした内容のものだ。
実際にはこんな教師との掛け合いはなかったが、デタラメだけど楽しい図案科のムードもよく伝わってきた。
嵩が「手のひらを太陽に」を作詞するシーンが、今後の展開で必ず出てくるだろう。そのときに「図案科ソング」に歌詞をつけた楽しさを思い出すのではないだろうか。