政界再編のカギを握る日本維新の会
<参院選の帰趨は?>
衆院解散の有無はともかくとして、7月には参院選の本番を迎える。衆院解散や会期延長がなければ、参院選は7月3日公示、7月20日投開票となる公算が大きい。
今夏の参院選は、定数248議席の半数124議席に、東京都選挙区の非改選の欠員補充1を合わせた、計125議席で争われる。石破政権は、勝敗ラインを「与党改選過半数」ではなく「与党過半数」に位置づけている。改選で現有議席を15議席(議長分を考慮すれば16議席)減らしても、石破政権は勝利と位置付けるだろう。
現在の支持率動向を踏まえれば、与党の苦戦が予想される。しかし、野党では候補者の一本化など選挙協力が部分的にしか進んでいない。勝敗ラインが低めに位置付けられていることもあり、与党が勝利できるか否かまだ不透明な情勢だ。
昨年の自民党総裁選および衆院選では、政治資金問題が主要なテーマであったが、今年の参院選では経済政策がテーマとなりそうだ。争点化しつつある消費減税の扱いのほか、コメなど食料価格高騰への対処、そして米国との関税交渉が、参院選に影響する。

<参院選後に何らかの政界再編へ>
既述の通り、石破政権が衆院解散・総選挙に踏み切る場合、衆参両院で野党が議席数を伸ばす可能性が高く、一気に政権交代となる可能性も出てくる。野党が内閣不信任決議案の提出を見送り、衆院解散がなく参院選のみ実施の場合でも、選挙後には何らかの政界再編が生じやすいと予想する。
参院選で与党が敗北する場合のみならず、勝利する場合でも、政界再編が生じやすい。その場合、カギを握るのは日本維新の会の動向だ。
少数与党にもかかわらず、衆院で予算などが成立しているのは、日本維新の会が協力しているためだ。特に、石破首相に近いと目される前原共同代表の存在が大きい。
その日本維新の会は、現在の支持率動向を踏まえれば、参院選でどちらかといえば議席数を減らす可能性が高そうだ。
前原氏を含む執行部が議席減の責任をとるようであれば、日本維新の会による与党との協調路線は見直され、政界再編の引き金となる。逆に前原共同代表続投であれば、現在のような部分的な協力の継続、もしくは連立与党入りとなる可能性が出てくる。