コンパクト化へ求められる厳格さ
また都市機能の誘導を図るために公民館やホール、美術館などのハコモノ建設することが目的化し、地域としてどんな生活スタイルを提唱したいのか、中心市街地に住んで市民は何をして生きていくのか、生活のソフトウェアに考えがおよばない自治体が多いようにも感じます。
コワーキング施設を用意すれば、都会からIT系技術者や若者がいっぱい来てくれるのでしょうか。地域としてどんな人材を呼び込みたいのか、コンテンツ作りに考えがおよんでいなければ、年寄りだけが集まって、「何だか味気ない、つまらないのう。元の場所に戻りたい、戻してくれ」になってしまいます。
またこうした誘導には市民の合意が大切であることは論を俟ちませんが、すべての市民の合意を得ることは合理的ではありません。むしろ年限を決めたうえで集約化を決めていく、多少強制力を持たせた方法でなければ絵に描いた餅になる危険性を秘めていると言えましょう。
そうした意味でこれまでの都市計画法で定められる居住地域の定義は、現代の実情に合わせて改変し、市街化区域の範囲を今よりも狭め、市街化区域以外の地域での居住を厳しく制限する方向にしなければ、コンパクト化の進展は遠い道のりとなるでしょう。




