御三卿の出身者

 最後に、御三卿から出た著名な人物をご紹介しよう。

 まず、田安家は、寛政の改革を主導した老中松平定信(賢丸)が挙げられる。

 十五代将軍・徳川慶喜のあと、宗家を継いだ徳川家達(いえさと)も、田安家の出である。

 家達は貴族院議長や日本赤十字社社長などを務め、ワシントン軍縮会議にも全権委員として列席している。

 一橋家からは、十一代将軍・徳川家斉と、前述の十五代将軍・徳川慶喜が出ている。

 水戸家から養子に入った清水家六代当主の徳川昭武(あきたけ)は、兄である十五代将軍・慶喜の名代として、パリ万国博覧会に派遣された。

 今後、一橋治済や田安賢丸が活躍するであろう大河ドラマ。主人公の蔦重とどう絡むのか、注目である。