「うっかり」で起きた事故ではないのは明白

 なぜ、何の落ち度もない人たちが、一瞬にして命を奪われなければならなかったのか。智里さんはその原因について考え、この日の会見でこう訴えました。

「私自身、素人なりにいろいろ調べました。警察や検察からはさまざまな事実を伺い、公訴事実なども読みました。そのうえで『なぜこれが『過失』なのかという疑問を抱かざるをえませんでした。

『過失』というのは、『うっかり』のことです。でも、これは絶対にうっかりで起こった事故ではないです。

 刑事裁判の前ということもあり、現時点ですべてを公にすることはできないのですが、被告は正常な運転に支障を生じる恐れがあることをわかっていながらハンドルを握りました。これは故意であり、過失ではありません。どうか危険運転致死傷罪に訴因変更していただけるよう、お願いいたします」

被告が自身のFacebookにアップしていたトラックの写真

 事故は2024年5月14日午前7時35分ごろ、首都高5号池袋線下りの美女木ジャンクション(JCT)付近で発生しました。ふらつきながら走行していた大型トラックが、渋滞の列にノーブレーキで追突。トラック3台と乗用車3台を巻き込む玉突き多重事故となり、乗用車に乗っていた3人が死亡したのです。

【朝日新聞/2024.5.14の動画ニュース】首都高5号池袋線の下り線で複数の死傷者 トラックと乗用車計7台が絡む事故