⑩トイレ8(設計:斎藤信吾+根本友樹+田代夢々)

設計:斎藤信吾+根本友樹+田代夢々 斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro/主用途:トイレ /階数:平屋建/延床面積:56.19m2/構造:木造 一部 鉄骨造

【設計コンセプト】
今を生きる人々は、様々な文化や国籍にルーツがあり、統一された言語はなく、宗教も異なり、体格や身体能力もバラエティーに富み、「こころ」と「からだ」の性や個性も多様化しています。これからは、従来の標準とされた「人間」をモデルに作られた「建築計画」を一度解体し、現代におけるあたらしい「かた」(typology)から建築を考える必要があるのではないでしょうか。万博のトイレの計画では、視覚・聴覚障がい・車椅子利用者とのワークショップを行い、「こころとからだの性の多様性」にも呼応しながら、様々な国籍や宗教にも配慮した計画を行いました。個性ある異なるもの同士の総体が、へだたりながらもひとつながりの群となる風景を目指します。

 1つのフォルムでない分散型のシンボル。中に入ったら、木造だとわかり、びっくり。設計者の1人、斎藤信吾氏は、「か・かた・かたち」(代謝建築論)で知られる建築家・菊竹清訓の研究でも知られる。設計主旨にある「現代におけるあたらしい『かた』(typology)」というフレーズに、菊竹好きとしてはうれしくなる。