夏の甲子園や地方大会が必ずしも「高校野球の締めくくり」でなくてもいい

――昨年は、ボランティアスタッフが活躍しましたが?

「去年は何もかもが初めてだったのですが、大学生などLIGAクリエータースタッフが本当に一生懸命やってくれて、助かりました。SNSなどの情報発信も主体になってやってくれたんです。

 今年も高校野球部の女子マネージャーから『参加したい』という申し出がありました。費用も掛かるので、高校生の方には簡単にお願いしますとは言えませんが、彼女たちは『自分たちも成長するため』に参加してくれます」

エスコンフィールドでのFinal Day(筆者撮影)

――選手の宿舎での生活はどうでしょう?

「昨年は2カ所のホテルに分宿していたのですが、今年は岩見沢で一つにまとめます。いい機会なので、夜に研修をしようと思っています。野球の能力向上につながる話や、野球とは関係がない社会人として生きていくために必要な話などもしたいと思っています。

 今年は元中日のエースだった吉見一起さんがコーチとして参加する予定です。得難い話が聞けると思います。

 それから、一つの宿舎なので、選手たちが宿舎や球場の環境維持、管理など自分たちでできることはするなど、生活面でも成長できればと思います。

 昨年も和気あいあいとしていい空気ではあったのですが、周りで選手を支えてくれているスタッフや地域の人たちに、さらに『応援してもらう』ようになりたいですね」

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 今年も最終日にはエスコンフィールドHOKKAIDOでのFinal Dayが予定されている。

エスコンフィールドでのFinal Day(筆者撮影)

 中学、高校と6年間を「野球一筋」に打ち込んできた野球選手たちだが、最後はたった1校を除いて、夏の甲子園や地方大会での「敗退」で終止符を打つ。

「LIGA サマーキャンプ」は、そうではないもっと爽やかなエンディングがあることを提示している。

 金銭負担を考えるとき「誰でも」とは言えないが、未来へ続く高校野球の新しい在り方として有意義な選択肢だろう。