4.近距離対戦車戦能力を強化する意図
写真5は、北朝鮮兵が対戦車ロケット「RPG-7」(携帯対戦車擲弾発射器、射程300メートル)を射撃している様子だ。
RPG-7はロシアで設計され1961年から製造されており、現在も改良が加えられ、ロシア、中国、アフリカなどで使用されている。
敵戦車に接近して使用するものだ。
写真5 対戦車ロケット射撃の様子

北朝鮮歩兵が敵戦車と対戦する場合は、RPG-7を使用する。射程2000~3000メートルの米欧の誘導型とは異なり、射撃手が近距離から狙って無誘導で射撃する兵器だ。
射撃手の練度によって命中する確率は異なるが、射程100メートル以内であれば命中する確率が高いものの、300メートルを超えるとほぼ命中しない。
北朝鮮は、米欧の携行型対戦車ミサイル「ジャベリン」と同等の対戦車ミサイルを保有していない。
2023年の軍事パレードでは、ジャベリンに似た兵器を兵士が携行していたが、その兵器はおそらく偽物だと私は予想していたが、現在でも実際には使用されていない。
したがって、ウクライナ戦争で北朝鮮軍兵士が敵戦車や装甲車と戦うには、やはりこの「RPG-7」しかないのだ。
この兵器で射撃する射撃手の練度を上げることが、早急に求められているのだろう。
写真6 左:米国製ジャベリン 右:北朝鮮のジャベリンもどき
