石橋の“暴走”を助長する風土
4月9日、とんねるずの石橋貴明(63)がフジの第三者委の聴取を辞退したことが分かった。第三者委の調査報告書では「有力な番組出演者」とされているのが石橋だということが文春オンラインによって明らかにされた。報告書によると、男性社員から呼び出された女性社員が、飲食店で石橋と2人きりにさせられた。その後、石橋が下半身を露出したという。
この男性社員とは、中居氏の性暴力問題にも深く関与していた前編成部長であり、港氏の直系の部下だ。上司から部下に接待文化は受け継がれてしまっていたようだ。石橋が報告書にある行為に及んでいたとすれば、フジの接待に慣れきってしまい、正常な判断力を失っていたと言えるのではないだろうか。
フジにはタレントへの接待文化が染みついていた。並行して番組づくりにおけるタレントへの依存度も高まるばかりだった。タレントに頼ると企画力と制作力は落ちる。フジの現在の視聴率不振はタレント依存も遠因だろう。
『笑っていいとも!』(1982年)などを手掛けた故・横澤彪氏と『なるほど!ザ・ワールド』(1981年)を生んだ王東順氏(78)の2人はタレント接待をしないことで有名だった。
「2人はタレント側が出たくなる番組をつくろうと懸命だった」(フジ関係者B)
こうしたフジテレビの気風は、いつしか変質し、タレント依存の番組作りが当たり前になっていった。そして行き着いた過度なタレント偏重の制作現場の空気がさまざまな不祥事の温床になったと言えるのではないだろうか。