辰巳さんも、オリンピックとパラリンピックに分ける必要はないのではないかと感じたと話す。
「パラアスリートを見ていると、オリンピックと何が違うのだろうと思いました。どちらもすごいアスリートです。何で分けているのだろうと疑問を感じます。どうせならオリンピックとパラリンピックを一緒に開催すれば、もっとパラアスリートも見てもらえるのではないでしょうか」
パリ大会と東京大会のボランティアの違い
東京大会とパリ大会では、ボランティアの仕事の割り振りや、待遇などに違いがあった。東京大会では英語ができる男性の多くは、選手や関係者の移動に使う車のドライバーに振り分けられたほかは、機械的に担当が割り振られていた。
それに対し、パリ大会のボランティアには適性検査が行われた。80項目に及ぶ質問に答えると、回答をAIを使って分析し、職場を決める参考にしていた。さらに、希望する職場がある場合は、その思いやこれまでの経験などを記載しておけば、全てではないが希望が考慮された。
選手を支援する職場を希望した結果、ボッチャのアスリートサービスのボランティアを担当できたのが山田香代さんだ。東京大会では、コロナ禍に開催されたことで、ボランティアとして残念な思いをしたという。

「東京大会では不完全燃焼だったので、パリ大会にも申し込みました」
普段からユネスコなどのボランティア活動に取り組んでいた山田さんは、東京大会では各国のパラリンピック委員会理事のアテンド係を担当。そこからパラスポーツに関わるようになった。
「東京大会が終わってからも、日本でゴールボールやボッチャのお手伝いをしたほか、審判の資格を取る勉強もしてきました。パリ大会ではぜひ選手の近くで仕事をしたいと希望して、アスリートサービスのボランティアに選ばれました」