2025年3月19日、自身が初めてプロデュースするアイスショー「Ice Brave」の記者発表会でポーズをとる宇野昌磨さん 写真/共同通信社

(松原孝臣:ライター)

「みんなで最高のものにする」

 3月19日、宇野昌磨が名古屋市内で記者会見に出席し、自身がプロデュースするアイスショーの開催を発表した。

 オリンピックでは、フィギュアスケートで日本人最多の計3個のメダルを獲得、世界選手権で2度優勝するなど輝かしい成績を刻み、昨年5月に引退。その後、プロフィギュアスケーターとして数々のアイスショーに出演するなど精力的に活動してきた。そしてついにアイスショーを開くこととなった。

 タイトルは「Ice Brave」。

「いちばん自分の現役時代の軌跡と近いかな、というか、やっぱり僕の強みっていうところは、気持ち的に前に強くいくところ、そこはスケートに対しても自分が誇れる強みでもあったかなと思うので、これなんじゃないか、と」

 公演は6月14・15日に愛知県の愛・地球博記念公演アイススケート場(モリコロパーク)で開催するのを皮切りに、21・22日に福岡市のオーヴィジョンアイスアリーナ福岡、7月12・13日に新潟市のMGC三菱ガス化学アイスアリーナと、3会場で行われる。出演は本田真凜、本郷理華、中野耀司、唐川常人、櫛田一樹。ゲストスケーターとしてステファン・ランビエールも参加する。

 会見の中で、ショーの一端を明かす。

「曲の構成は2曲を除いて、すべて僕が現役時代に使っていたプログラム演目で構成されています。初めての僕のプロデュースのショーということで、最初に感謝の気持ちも込めて、競技から次のステップの再始動というので、昔の自分からここまで成長できましたよっていう部分も見せられたらいいなと思いますし、あの曲を今滑ったらどんなものになるんだろうというのは、僕自身もそして見ている皆さんも気になるところがあるんじゃないかなと思いました」

「(新たな)2曲が本当に新しい挑戦なんです。けっこう難しい挑戦ではあるんですけど、でもハードルが高いほどやりがいもありますし、それが成し遂げたときには達成感だったり、皆さんもあっと驚くようなものが見せられるかなと思うので、ぜひ楽しみにしていただけたらなと思っております」

 大切にしようとしていることは、次の言葉にあった。

「このショーはもちろんプロデュースしている形ではあるんですけれども、今決まっているメンバー全員で作り上げていく、みんなで最高のものにする。そしてこのショーが全部終わった後に『すごくいい時間だったね』って振り返れるような時間にしたいです」

「ショーごとに色があると僕は思うんですけど、僕一人では自分が思い描く素晴らしいショーは僕には作れないんじゃないか、ですけど皆さんのたくさんの協力を得てこのショーを完成させる、素晴らしいものにするっていうところを自分のこのショーの色にしたいと思っています」