氷上以外にもある細部へのこだわり
2度目のメリットもある。
「前回は急に決まったというのもあったので、スケジューリングだったり、人数をあれだけ使ってのリハーサルだったり、まったく予想がつかない中、どこにどれくらい時間かかるのかとか手探り状態でした。それを踏まえて今回はこれくらいかかるだろうなっていうのもなんとなく見えてましたし、早い段階で準備ができるようになりました」
2月4日にはまず関東在住のスケーターが集まって練習を開始した。前回よりも早めに準備を始められた例の1つだ。
出演者は新たに参加するスケーター6名が加わり計26名となった。
「18歳ぐらいから20代前半までと伸び盛りのスケーターたちで、いろいろな可能性なども含めてお願いしました。早い段階からリハーサルに参加してくれています」
人数が増えれば、群舞の迫力も増すだろう。それは「滑走屋」の特色をさらに引き立たせることになる。
福岡公演に引き続き出演するスケーターたちのモチベーションも高い。のちに映像で自身の滑りを目にした彼らは、「もっとできるはず」「まだできていないところがある」と感じたという。その思いをぶつける場でもある。しかも出演したスケーターの中には、公演を経て、現役続行を決意した選手、活躍の場が広がる希望を抱いた選手もいた。選手としてのターニングポイントになったと言う選手もいる。出演者自体の魂を揺るがすものだったから、見る人をも揺さぶることができたし、だから彼らの2度目の公演へ懸ける気持ちは強い。
クオリティを高める、それは細部まで磨くことでもある。細部へのこだわりは、氷上以外にもある。
「今回、客入れから曲を選んでいます。本番へ向けて音楽でも楽しめると思います」
座席はいくつかのカテゴリーに分けられているが、それぞれのカテゴリーのネーミングは高橋が決めた。例えばリンクに最も近い位置の「Air(エアーシート)」は、スケーターの疾走が生み出す風を感じられる席、「Challenge(チャレンジシート)」はそこまでアイスショーを見たことがない人々へ向けて、「Welcome(ウェルカムシート)」は初めてアイスショーを見る人々へ……。最も安いWelcomeの場合、料金は5000円と、アイスショーでは低料金におさえた。
そのネーミングにも、価格設定にも、フィギュアスケートのファンにも、今まで触れたことのない人にも、いろいろな人に見てほしいという願いがある。同時に、さまざまな人に見て楽しんでもらえる作品であるという自負もある。
「いろいろなスケートのショーはあると思うんですけど、その中でも新しい形のショーになっているんじゃないかと思います。本当にスケートのことがよく分からなくてもすごく楽しめる氷上のエンターテインメントになっていますし、公演時間は75分、あっという間に終わるので、気軽な気持ちで遊びに来てくれたら楽しんで帰っていただけるんじゃないかなと思います」
直前合宿を経て、スケーターたちは、今、公演を迎えようとしている。
自らの未来を切り拓くために、スケートの未来を築いていくために、彼らは広島の地に立つ。
「滑走屋」開催概要
出演者
高橋大輔、村元哉中、村上佳菜子
友野一希、島田高志郎、三宅星南、青木祐奈
大島光翔、櫛田一樹、門脇慧丞、木科雄登、佐々木晴也、
振付
鈴木ゆま
開催日
2025/3/8(土)
【開場】10:00【開演】11:00
【開場】13:30【開演】14:30
【開場】17:00【開演】18:00
2025/3/9(日)
【開場】10:00【開演】11:00
【開場】13:30【開演】14:30
【開場】17:00【開演】18:00
会場
ひろしんビッグウェーブ
広島市東区牛田新町一丁目8番3号
*チケット情報は以下のサイトをご確認ください
滑走屋公式サイト:https://kassouya.jp
滑走屋公式チケット:https://cocoticket.
滑走屋公式インスタグラム:@kassouya_
滑走屋公式X: @Kassouya