日本でもルール見直し、暗号資産の分離課税は?
米国における暗号資産規制改革が進む中、日本にもその影響が広がりつつある。金融庁は、暗号資産が金融商品として規制される国際的な潮流を受け、国内においても暗号資産に対する金融商品取引法(金商法)の適用を検討している。
この金商法適用により、暗号資産関連企業は新たな開示義務や登録制度など規制コストが増し、スタートアップによる市場参入やトークン発行を通じた資金調達は難しくなることが予想される。
一方で、伝統的な金融市場のルールに即した投資家保護が強化されることで、幅広い投資家の新規参入が進むことが期待される。
その影響として最も注目されているのが、国内におけるビットコインETFの解禁である。
暗号資産が金融商品という位置づけになることで、金融当局の監督基準が明確になり、ETFの承認がしやすくなる。その上で、暗号資産の現物とETFの税制を統一するための議論も行われており、近い将来に暗号資産の現物にかかる税金が他の金融資産と同様に分離課税扱いに移行する可能性がある。
しかしながら、発行主体を持たないビットコインやイーサリアムのような暗号資産を、一律に金商法の枠組み内で規制することには課題がある。そのため、米国の規制アプローチのように、基本的には証券に準じた規制を行いつつ、一部要件を満たすものについては例外的な扱いを設けるなどの対応が考えられる。
金融庁は、他にも暗号資産やステーブルコインの取引仲介業を新設することを検討しており、これらの規制改革案を、2025年6月を目途に策定する予定だ。
しかし、米国の規制方針がグローバル市場のトレンドを大きく左右することを考えると、日本が独自に先行して規制を策定することのリスクも指摘される。今後、金融庁がどのような方針を最終決定するのか、その動向が注目される。