
野菜の高騰や、2024年夏のコメ不足に端を発するコメの高止まりが家計を直撃している。こうした中にあっても、高配当株・優待株をメインに運用する個人投資家のかんちさん一家は、日用品の多くを株主優待で賄い、コメの調達に困ることはなかった。著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)でも触れている優待株投資の手法、優待生活の実態を聞いた(3回に分けて掲載)。
(種市 房子:ライター)
■個人投資家・かんちさんに聞く
(1)消防士を49歳でFIRE!運用資産8億円、「ほったらかし投資」で年間配当2000万円…儲かる高配当株を探し出す極意とは
(2)FIREで配当生活!割安株の見抜き方…PERとPBRの使い方、「公募増資」が絶好の買い時なワケ、そして実はポイ活も重要
(3)超おいしい優待株生活!物価高にも令和のコメ騒動にも負けず、フグ刺しも!優待株の選び方とFIREに必要な運用資産額
地銀の優待でフグ刺し・高級ブドウ詰め合わせ
——保有資産8億円分の中には、優待狙いの株式もあるようですね。優待株はどの程度保有していますか。
かんち氏(以下敬称略):今ではだいたい500銘柄保有しています。日用品や食品、外食から旅行まで株主優待で済んでしまいます。株式投資を始めて、いろいろな銘柄を試していた時、吉野家ホールディングス(HD)や日本マクドナルドHD(いずれも現在の会社名)の優待を使い「無料で食べられる」ということに魅力を感じ、優待株にはまったことから銘柄数を増やしてきました。

——どのような優待株を持っていますか。
かんち:2024年8月の下落局面で大量購入したAndDoホールディングス、山口フィナンシャルグループ(FG)、INPEXが評価額ベースでの上位3銘柄です。山口FGは、高配当株で、したがって割安でもあり、株価上昇も期待できます。私は5000株保有しており、大口株主向けのカタログギフトでフグの刺身や高級ブドウの詰め合わせを注文しています。
配当利回りも3.5%を超えています(2月14日現在)。他にも、山陰合同銀行やふくおかFGなどの地銀株は優待株として大量保有しています。地銀はPBR1倍割れで割安ながら、配当もしっかりしている銘柄が多く、優待もお得感のある地場産品が多いです。
——株主優待で生活費を賄えるのですか、それはすごいですね。