「FIREには2億必要」そのワケは?

かんち:優待と配当金のバランスが良い銘柄を大量に保有しています。配当金が出れば、さらに優待株を買えるからです。

——最近の株主優待の状況をどう見ていますか。

かんち:機関投資家の動きを気にして、株主優待を止めて配当に一本化する上場企業もあります。しかし、近年は東証改革の影響で、流通時価総額を増やすためにも、個人株主のすそ野を広げようという上場企業が一定数あり、優待が採用・拡大されている動きを感じます。

 株式投資において長く安心して保有できるのは、ある程度のインカムゲインがあってこそです。逆にある程度の優待が無ければ、私は保有しづらいです。

——著書では、後進の個人投資家に「FIREをするには最低でも資産は2億円はあったほうがいい」とのメッセージを送っています。かんちさん自身、49歳で専業投資家になった時の資産残高も2億円でした。2億円という数字の根拠は。

かんち:資産2億円で年間利回り4%ならば、配当金は800万円です。金融資産は税金が約20%かかるので、手取りは640万円です。現役世代で子育てもしていれば、このぐらいの手取りは必要でしょう。

 しかも、毎年4%の利回りを確保するのには、相当高配当株に傾斜しなければならないし、給与所得者や個人事業主に認められる所得控除もないのです。FIREにあこがれる現役世代もいるでしょうが、このような現実にも目を向けることが重要です。

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※実際の投資に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。

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