イメージ(写真:koumaru/Shutterstock.com)
目次

個人投資家のかんちさんは、高配当株・優待株をメインに運用資産8億円、年間配当2000万円超のポートフォリオ(資産の組み合わせ)を構築し、日用品の多くを株主優待で賄う。著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)は7万部を突破。前回に続き、かんちさんが編み出した有望な割安株を選び出す方法を聞く(3回に分けて掲載)。

(種市 房子:ライター)

■個人投資家・かんちさんに聞く
(1)消防士を49歳でFIRE!運用資産8億円、「ほったらかし投資」で年間配当2000万円…儲かる高配当株を探し出す極意とは
(2)FIREで配当生活!割安株の見抜き方…PERとPBRの使い方、「公募増資」が絶好の買い時なワケ、そして実はポイ活も重要
(3)超おいしい優待株生活!物価高にも令和のコメ騒動にも負けず、フグ刺しも!優待株の選び方とFIREに必要な運用資産額

「PER×PBR」が15倍以下の割安株を狙う

——これまで有望な割安株を抽出するステップとして、(1)配当利回り3.5%以上、(2)増収・増益の銘柄に絞ることをお話しいただきました、3つ目のステップはPERとPBRを活用するとのことですが、具体的にはどうするのですか。

かんち氏(以下敬称略):PER×PBRが15倍超の銘柄は「割高」と判断し、除外します。そして、第4に一時的な要因で上昇した株を除外します。たとえば、保有不動産や株を売却して一時的に利益が上がり、株価が上がっても、その企業業績に持続性はありません。以上のような銘柄のスクリーニング(抽出)は、各証券口座の機能で可能です。

かんち 1961年生まれ。運用資産約8億円・年間配当金2000万円超の専業投資家。49歳の時に株式投資で資産2億円を築いて、消防士を早期退職。現在は、生活費のすべてを株の配当金・株主優待で賄う生活を送っている。 かんちさんの初の著書、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)は、自身の投資戦略、保有銘柄リスト、優待生活の実態が描かれている。2024年5月の発売以来、8刷を重ね7万部のヒットをたたき出す。(イラスト:鈴木勇介)

——チェックの結果、どのような銘柄を保有したのでしょうか。

かんち:詳しくは私の著書に銘柄リストがありますが(一部はその後入れ替え)、評価額500万円以上の主力株として、INPEX、三菱UFJフィナンシャルグループ、ワールドホールディングス(HD)など20銘柄があります。主力株の中には、優待株もありますが、今挙げた3銘柄はいずれも高配当株として保有しています。INPEXは優待株の意味合いもありますが。

——PER×PBRが15倍以下というのは、割安株に限られるのでは。

かんち:この「マイルール」は、「割安株の父」と呼ばれる米国の投資家、ベンジャミン・グレアムが掲げていた「PER×PBR=22.5倍」という基準を基に20年前に編み出しました。

 当時の日本で「PER×PBR=22.5倍」でスクリーニングしたのですが、半分ぐらいの株が「割安」になってしまいました。これではスクリーニングになりません。そこで、私は15倍に設定しました。

——この基準では、保有するのは、かなり割安の株ばかりになるのでは。