母・シーザリオは米国G1で勝利
2016年生まれのサートゥルナーリアは2018年12月に行われたG1レース「ホープフルステークス」に勝利し、そのまま翌19年4月の皐月賞に直行、前述のように勝利し、生涯10戦6勝、うちG1レース2勝と立派な成績を収めて引退しましたが、実は同馬の母親も偉大でした。
その母親とは名牝で名高いシーザリオです。シーザリオの戦歴について簡単にご紹介すると、2004年の12月に新馬戦でデビュー、3戦無敗のまま翌年4月の桜花賞に挑戦、惜しくも頭差で2着に終わりますが、翌5月のオークスに勝利します。
勢いは止まることなく、その後なんと海外遠征を試み、米国ハリウッドパークで7月に開催されたアメリカンオークスに挑戦、12頭立てのレースで見事優勝、それも2着馬を4馬身突き離しての圧勝ぶりはレースレコードというおまけもついて現地でも話題になったそうです。
鞍上は福永祐一。天才といわれた父・福永洋一騎手ですら成し遂げられなかった米国G1勝利という栄冠に輝き、海外での最初のG1勝利を手にします。
ちなみに福永はその10年後の2014年、アラブ首長国連邦で行われたドバイデューティーフリーにジャスタウェイ騎乗で優勝、この勝利によって同馬とともに世界一の称号を得ましたが、シーザリオでの海外レース体験が役立ったことでしょう。
海外初制覇の後、シーザリオはいったん帰国、同年10月に開催される米国競馬の祭典・ブリーダーズカップへの出走を企図していましたが、残念ながら右前脚に故障発生で断念、長期休養後も状況は思わしくなく引退へと至ります。
生涯6戦5勝、デビュー戦から引退レースまでわずか半年余りの間に海外遠征まで行った戦歴は、閃光のようなきらめきとなって私たち競馬ファンの胸の中でしっかりと輝いています。