「多様性コンサル」にカモにされていた
橘:アメリカではDEIが巨大な「産業」になっており、企業や教育機関にDEIのプログラムを売り込む悪質なコンサルタントがしばしば問題になっています。
2020年7月に、ニューヨーク・ポスト紙が「連邦政府で卑猥な『多様性トレーニング』詐欺が繁栄している──トランプの下ですら」(Obscene federal ‘diversity training’ scam prospers — even under Trump)という記事を掲載しました。

同誌の記者が入手した内部文書によると、財務省や連邦準備理事会(FRB)、連邦預金保険公社などの政府機関で研修を実施した「多様性コンサルティング会社」は、職員たちに「事実上すべての白人は人種差別に加担している」「白人の職員は自らの無自覚な人種差別的傾向を自覚するよう『苦闘』すべきだ」という内容を教えていたそうです。
このような研修を政府機関に売りつけた「多様性コンサル」企業は、2006年以降、850万ドルもの収入を得ていました。この会社の代表はハワード・ロスという人物で、彼が白人であることも保守派の怒りを買いました。
財務省の内部文書によると、ハワード・ロスは研修の最後に「人種差別について子どもたちに話すよう」指示していました。「偏見は3歳ごろから脳に形成され始めるから」だそうです。記者は「幼稚園から大学院まで、延々と多様性セミナーを受けさせられ、その利益を多様性コンサルが享受する未来」を憂いています。
──多様性を学ぶ研修やセミナーを売り物にするコンサルティング会社に、政府機関や企業はカモにされていた、ということですね。