トランプ、中国人や韓国人の「出産観光」も完全封鎖する意気込み
「出生地主義」撤廃されれば大谷翔平・真美子さんの子供は市民権取れず
2025.1.27(月)
高濱 賛
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立法化は無理でもパニックは起こる
だが「出生地主義」改正は、前途多難だ。道は2つ。
一つは、トランプ氏が目指す最高裁の判断だ。憲法修正第14条についての法解釈は、前述したとおり定着している。
おそらく最高裁判事9人のうち、トランプ氏の肩を持つのは、超保守派のサミュエル・アリト、クラレンス・トーマスの2判事ぐらいだろう。
もう一つの道は、憲法修正第14条改正案を上下両院で3分の2の票を得て可決、40州の州議会で4分の3の多数で承認されること。
しかし、ほとんどの法律家は反対のようだ。メディアをはじめ世論も冷ややかだ。
それでも「トランプ氏は負けて勝つ」と見るのは「デイリー・ビースト」のシャン・ウー記者だ。
「この大統領令に米全土のコミュニティには恐怖心が広がっている」
「トランプ氏の支持基盤に根を張っている白人人種差別主義者への直接的な政治ポーズであることは言うまでもない」
「厳しい審査を受け、憲法修正第14条改正には失敗するかもしれない。だが対象者たちをパニックに陥れるという当初の目的は確実に達成するかもしれない」
(This Is How Trump Wins Even if His Birthright Citizenship Plan Fails)
有言実行のトランプ氏。大統領令のすべては実現できずいくつかは「失敗する」ことも最初から計算済みなのか。まさに「ディール」(取引)なのかもしれない。
余談になるが、就任式の時、トランプ氏は、リンカーン大統領が就任宣誓に使った聖書とトランプ氏が母親から贈られた聖書をメラニア夫人が差し出したが、左手を置かなかった。
今にして思えば、憲法修正第14条を書き加えたのはリンカーン大統領。それを改正しようとするトランプ氏が左手を置かなかった気持ちは分かるような気がする。
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