レプティリアンは松脂が嫌いだという神真都Qの“自説”
雨宮:このレプティリアン(またはレプティリアンの遺伝子が混ざった存在)が人間に化け、社会に潜んでいると考える。レプティリアンは社会の支配層だとされるため、デモを警備する警察官もレプティリアンとされます。
これは神真都Qのオリジナルだと思いますが、なぜかレプティリアンは松脂(まつやに)を嫌うという自説を彼らは持っていて、神真都Qの会員が松脂を警察官に突き付ける画像などがSNSに投稿されました。
この神真都Qが全国で展開していたデモの参加者は、一時は6000人ほどになっていたと報道されています。彼らは、全国47都道府県のLINEオープンチャットと支部があり、各都道府県でデモを実施しました。ワクチン反対の背後に極めてオカルト・スピリチュアル色の強い設定を持つ運動が、全国規模に発展していったのです。
──デジタル空間で仲間を増やしていたのですか?
雨宮:そうです。大規模な物理拠点があったわけではなく、ほとんどの参加者はX(旧Twitter)のフォロワーやYouTubeのチャンネル登録者でした。団体のリーダー格は陰謀論系のインフルエンサーたちで、エックスやYouTubeでフォロワー数をそれぞれ数万人持っていました。このフォロワーたちが参加者となったのです。
神真都Qでは、オープンなXやYouTubeに加えて、団体への所属意識を強化する工夫が見られました。(完全にクローズではありませんが)ある程度クローズなLINEのオープンチャットを作り、そこに支持者を囲い込んでいたのです。(都道府県など)エリアごとにチャットグループを分けていたので、かなりの数のチャットグループがありました。
──リーダーが逮捕されましたよね?
雨宮:「岡本一兵衛(いちべえ、イチベイとも)」と名乗るリーダーを含む5人が、2022年に逮捕されています。彼らは反ワクチンを主張するために、複数のワクチン接種会場に押し入って逮捕されました。また、この団体の代表理事を務めていた男も、生活保護の不正受給で2023年に有罪判決を受けています。

──神真都Qは、アメリカでトランプを支持していたQアノンとつながりがあるのですか?
雨宮:ある宗教が世界に散らばると、土着の信仰と合体するシンクレティズム(複数の宗教や文化が混在する現象)が起こることがありますが、そのようなイメージです。