米大統領就任式が始まる直前、雪の中の米国議会議事堂(資料写真、2025年1月19日、写真:AP/アフロ)

(韓光勲:ライター、社会学研究者)

 ドナルド・トランプ第47代米国大統領が誕生した。日本ではトランプ氏の大統領就任によって、米国の政策が「大転換」すると報道されている。

 果たして、本当に「政策の大転換」が起こるのだろうか。筆者はそうは思わない。少なくとも外交政策の面では、バイデン政権から多くを引き継ぐとみている。日本における大方の報道とは異なり、トランプ政権の外交政策は、実は予測可能であると筆者は考えている。アメリカ国内でもそのような議論があるので、詳しく検証してみたい。

 アメリカの外交問題評議会が発行する外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」が運営するウェブサイトに1月20日、トランプ政権の誕生に合わせて一つの記事が掲載された。

「トランプ─バイデン─トランプの外交政策:アメリカの戦略の奇妙な連続性」というタイトルで、著者はかつて米国務省で働き現在はシンクタンクの代表を務めるリチャード・フォンテーヌ氏である。以下、記事の内容を紹介しよう。