他人を下げるコミュニケーションはNG
今の時代は、なぜわざわざいきなり人を否定してきて不快な思いをさせてくるのかが「意味がわからない」ということです。そして、わからないなりにも理由を考えて、きっと「いつもネガティブなことを言ってくる人」「私に対して悪意のある人」として老害認定されます。
第一声は「仕事は順調?」「何か困ったことは起きてない?」で十分なのです。
それでも「こういう丁々発止のやりとりこそ楽しいコミュニケーションなんだ」と言う方もいます。その場合は、「でしたら、まず相手ではなく自分を否定してから会話を始めてください。丁々発止のやりとりをしたいなら同じことですよね」とお伝えてしています。
上司から「さっき10分だけと思って横になったらそのまま1時間昼寝しちゃって、まだ明日の会議資料を作り終えてなくてさ」と言えば、「部長でもそうなんですか。在宅だとそういうこともありますよね。私も一度同じことがあったので短い時間でもスマートフォンでタイマーをかけるようにしています」と、グッドコミュニケーションが成立します。
それを逆にやると、老害と言われてしまいます。つまり「自分が気持ちよくなりたいだけのために、他人を下げようとするコミュニケーション手法を使ってはいけない」のです。(続く)
前田 康二郎(まえだ・こうじろう)
流創株式会社代表取締役
1973年生まれ。エイベックスなど数社で管理業務全般に従事し、サニーサイドアップでは経理部長として株式上場を達成。その後、中国・深圳での駐在業務の後、独立。現在は利益改善、コンプライアンス改善、社風改善の社員研修、コンサルティング、講演、執筆活動などを行っている。
著書に『メンターになる人、老害になる人』(クロスメディア・パブリッシング)、『図で考えると会社は良くなる』(同)、『社長になる人のための経理とお金のキホン』(日本経済新聞出版)、『職場がヤバい!不正に走る普通の人たち』(同)ほか多数。・Podcast番組「THE VENTURE ~ベンチャーで成功するための101のマインドセット~」パーソナリティ・流創株式会社