24時間監視体制で事情聴取

 今回のような重大な事件の場合、犯人は通いではなく、寝泊まりできる施設で24時間監視されながら寝起きし、事情聴取を受けているはずだ。

 筆者が勤務した都銀の場合、銀行の本部、研修所、保養・娯楽施設などに、事情聴取用の部屋があった。関西地区で言うと、大阪市西区に京町堀クラブというのがあり、当事者はそこにある畳敷きの部屋で、所属支店の次席と一緒に寝起きしながら、事情聴取を受けていた。次席は監視役である。飛び降り自殺防止のため、部屋に窓はなく、建物に専用の出入り口があり、他の人たちと顔を合わせない仕組みになっていた。銀行の暗部を象徴する施設である。

(写真:Ned Snowman/Shutterstock)
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 東京では、人事部の会議室や渋谷区常盤松町にあった研修施設の中などで聴取が行われていたようだ。

 旧東京三菱銀行の関西地区の場合は、旧東京銀行大阪支店のビルの中に特別な部屋があったと聞く。

 三菱UFJ銀行の場合、2015年に横浜市のみなとみらい21地区に、約850人が寝泊まりできる、地上8階建て・延床面積3万5661m2の「MUFGグローバルラーニングセンター」という大型研修施設をつくったので、そこに事情聴取用の部屋があるかもしれない。あるいはホテルの1フロアーを借り切ってやっているということもあり得るだろう。

 懲戒解雇された女性の元営業課長は、そうした場所で監視役の行員と寝起きしながら、事情聴取を受けているはずだ。