ユダヤの神髄、形あるものへの礼拝の禁止する
日本で見られる仏像や神像、例えば奈良や鎌倉の大仏さん、円空の彫った木製の仏、京都三十三間堂の国宝である多くの仏像等々は、ユダヤ教ではすべてが破壊されるべきもので、あってはならないし存在してはならない。徹底した偶像崇拝の禁止、形あるものへの礼拝の禁止がユダヤ教の神髄なのである。
なぜ我々ユダヤ人は、形あるものを崇拝することを十戒の教えの一つとして禁止されているのだろうか。それは、形あるものを拝むことによって、それそのもの(形)が神や仏だと信じ込んでしまうからである。
大仏や天神様の牛の像、お稲荷様の使いの狐の像、弁天様の蛇の像などを信仰の対象とし、それに対して献金したり、あるいはそれを作る者、管理する者などの権力者を崇め奉ったりして、結局は人が人を支配する政治権力構造の中に組み込まれていってしまう。
日本でもエジプトでも、巨大神殿、巨大仏殿を時の権力者(たとえば聖武天皇や豊臣秀吉)が建立し、その中に巨大仏像(大仏)を鎮座させ、自己の権力を誇示して国土支配の道具とした。
人が人を支配する政治権力構造として偶像崇拝が使われるので、ユダヤ教ではそれを厳しく禁止し、戒めているのである。イスラエルでは、偶像崇拝で多神教の国ギリシャが発祥といわれるオリンピックに否定的な意見を持つ人が多くいる。