テッドは会話を必ず録音していた
テッドは変わった人で、いつもテープレコーダーで会話を録音していました。
「君との会話は録音させてもらうから」と言って、延々と録音するのです。私の昔の考えを記録したテープが、まだどこかにあるかもしれません。
テッドは、録音した会話をすべて文字に起こし、ウエブ上に公開したいと考えていました。
そして、それをテーマごとに分類し、ハイパーリンクでつなげたいと語っていたのです。
私はその壮大な構想に感銘を受け、「それは素晴らしい!ぜひ実現すべきだ」と彼に伝えました。
それは、まさに「あなた自身になる」ことだと。
この時の会話は、私の記憶に深く刻まれました。そして、最近私が始めた個人レベルの人工知能プロジェクトにも影響を与えています。
このプロジェクトでは、1024個のCPUを搭載した安価なコンピューターを開発し、個人の写真、メール、インターネット上の情報などを集約することで、その人自身の「分身」のようなAIを作り出すことを目指しているのです。
先日、この話をテッドにしたところ、「セカンドライフ」という名前がいいと提案されました。
「ザナドゥ」はどうだろうかと尋ねると、「ビル・ゲイツの家じゃないんだから」と一蹴されました(笑)。