水増し発表された観客数

 2003年時点での、NPB各球団の観客動員は以下の通り。(自)は、球団のグループ会社の所有、(他)は、球団と資本関係のない企業、団体の所有。なお、観客動員は2004年まで「球団発表」で「実数」ではない。

セ・リーグ リーグ総計 1352万500人
 読売ジャイアンツ 東京ドーム(他)376万3000人
 阪神タイガース 阪神甲子園球場(自)330万人
 中日ドラゴンズ ナゴヤドーム(自)233万6500人
 ヤクルトスワローズ 神宮球場(他)174万1000人
 横浜ベイスターズ 横浜スタジアム(他)143万4000人
 広島東洋カープ 広島市民球場(他)94万6000人

パ・リーグ リーグ総計 1068万4000人
 日本ハムファイターズ 東京ドーム(他)161万6000人
 西武ライオンズ 西武ドーム(自)166万4000人
 千葉ロッテマリーンズ 千葉マリンスタジアム(他)122万5000人
 大阪近鉄バファローズ 大阪ドーム(他)143万3000人
 オリックス・ブルーウェーブ 神戸グリーンスタジアム(他)127万5000人
 福岡ダイエーホークス 福岡ドーム(自)322万8000人

 当時の観客動員の数字は全く当てにならない。東京ドームの巨人戦は判で押したように5万5000人と発表されたが、実数発表される日本シリーズでは東京ドームの動員は4万5000人前後。1万人近くもさばを読んでいたことになる。また、広島を除く11球団は100万人以上を動員していることになっているが、観客動員が数百人でも1000人、2000人と発表するのが常だった。

「球界再編」後の2005年から、各球団は観客動員を実数発表するが、NPBの観客動員総数は「球団発表」だった2003年は2366万4500人、2004年は2445万4000人だったのが、「実数発表」になった2005年には1992万4613人と前年の18.6%も下落した。

 2004年の「球界再編」でストライキを主導した労働組合プロ野球選手会は「球団の経営状態の開示」を要求した。しかしこれは、不可能だった。そもそもNPBは12球団の経営実態を把握していなかった。Jリーグが全クラブの経営指標を公式サイトで公開しているのとは対照的に、NPB各球団はほとんどが、今に至るも経営状態を明らかにしていない。