トランプの「好きな言葉は関税」
トランプは、大統領選において、中国に60%、その他の国にも10〜20%の関税をかけると約束した。
さらに、11月25日、トランプは、政権に就いたら、中国からの輸入品に10%の追加関税をかけ、メキシコとカナダにも25%の関税を課す命令を下すと発表した。
中国については、アメリカで社会問題となっている薬物の「フェンタニル」に中国で製造されている原料が使われているからというのが理由である。中国が薬物対応を実行するまで、この措置を続けるという。
中国は、「中国はきちんと対応している。貿易戦争や関税戦争に勝者はない」と反論している。中国は、今、不動産不況で苦しんでおり、輸出の拡大で切り抜けようとしている。トランプの関税政策は、中国側の頭痛の種になりそうである。
メキシコとカナダについては、大量の犯罪や薬物が流入しているからだという。トランプと会談したカナダのトルドー首相もメキシコのシェインバウム大統領も、「建設的な良い議論ができた」と述べているが、今後どうなるかは分からない。
シェインバウムは、報復関税を準備しており、関税は、アメリカの40万人分の雇用を無くすと指摘し、悲惨な結果をもたらすと述べている。また、メキシコは不法移民対策も実施していると反論した。
アメリカの2023年の輸入額は、1位がメキシコ、2位が中国、3位がカナダである。第一次トランプ政権時代は、アメリカの製造業を守るための保護関税であったが、今回はアメリカの内政問題の解決のために関税を武器に使っている。
多くの日本の自動車メーカーがメキシコで生産して、アメリカに輸出している。生産台数は、トヨタが25万台、ホンダが16万台、マツダが20万台、日産が61万台である。メキシコには、日本企業の拠点が1500カ所あり、大きな影響を受けることが懸念されている。