6.精度の悪い北朝鮮多連装ロケット砲
北朝鮮は今年8月、240ミリ多連装ロケット砲システムの試験射撃を実施した(以下の写真)。
北朝鮮240ミリ多連装ロケット砲の試験射撃
しかし、このロケット砲はまだ開発中なので、これをロシアへは提供しないだろう。
提供するのは、過去に製造したものと見るのが妥当だろう。
その性能について過去の事例をもとに紹介する。
北朝鮮は、韓国を恫喝するために、170ミリ榴弾砲や多連装ロケット砲を海岸に並べて射撃している写真を、1年間に何度も発表している。
北朝鮮は2010年、各種多連装ロケット砲を韓国西海、北朝鮮から11~15キロにある延坪島に撃ち込んだことがある。
この島は、東西3.2キロ・南北3キロの三角形の島である。
この時、1回目150発と2回目20発に分けて発射した。1回目の150発のうち島内には約60発が着弾し、残りは海に着弾した。
島内にわずか約30%しか入らなかったのは、射撃精度の悪さを証明している。また、合計170発のうち約20発、12%が不発であった。
通常、100発発射すれば不発弾は1~2発程度だ。北朝鮮が実戦場で使用した弾が12%も不発というのは多すぎる。
北朝鮮は普段から、これらを海岸線に並べて射撃し、韓国を恫喝しているものの、実際の精度の悪さや不発弾の多さは度を超している。
北朝鮮が、ロシアのクルスク州でロケット弾を射撃すれば、友軍陣地に弾が落下し、多くの不発弾が発見されることになるだろう。