しかし、そうした中でも同社は半導体などの部品の中国国内開発を進めてきたとみられる。23年8月には、7ナノメートル(nm)技術で製造された半導体を採用し、5G(第5世代移動通信システム)相当の性能を持つ「Mate 60 Pro」を市場投入して消費者を引き付けた。同社はその後、三つ折りの折り畳み型スマホ「Mate XT」など、複数の新製品を市場投入している。
アップルにとって中国は3番目に大きな市場である。こうした状況は、同社に大きなプレッシャーを与えていると米CNBCは報じている。
クックCEOの訪中、狙いはApple Intelligenceの導入か
IDCによれば、中国におけるiPhone 16の初期の販売実績は前モデルと同水準だった。「アップルは、今後の販促策や人工知能(AI)機能の追加で需要を喚起できる」(IDC)という。
アップルの生成AIシステム「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」は送信メッセージを校正したり、絵文字を生成したり、長文メールの要約を作成したりする。音声アシスタント「Siri(シリ)」を介して、米オープンAIの対話型AI「Chat(チャット)GPT」による回答を得ることもできる。
しかし、中国では外国の生成AIが禁止されている。これによりアップルは現地のAI開発企業と連携する必要がある。アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は先ごろ中国を訪れ、同国政府との会合に臨んだ。
CNBCによれば、このとき同氏は政府高官やテクノロジー企業の幹部と会談した。これはApple Intelligenceの導入に向け、中国とのパートナーシップを強化するための試みだとみられている。Apple Intelligenceの中国展開が、この競争で重要なカギを握ると同社は考えているようだ。