角膜の傷や結膜出血は急がなくてもいい

 一方で、患者さんが「これは重症で、すぐに眼科にかからなければ」と思うのは、目の表面の角膜の傷です。コンタクトレンズで傷をつけた、スキーやスノーボードでゴーグルをせず目に傷がついた、夏に砂浜の照り返しや紫外線で目が傷ついた、というようなケースです。

 角膜は痛みを感じやすいという特徴があるのですが、夜中に緊急で治療しないと失明するということは極めてまれです。そして、治療してもすぐに痛みがなくなるわけではありません。

(写真:umaruchan4678/Shutterstock)(写真:umaruchan4678/Shutterstock)

 突然、白目が真っ赤になる「結膜出血」も、見た目に派手なので、受診を急ぐ患者さんがたくさんいます。出血しているのでなんだかゴロゴロはしますが、視力は問題なく、見え方には異常を感じません。痛みもそれほどでもない。けれども鏡を見ると真っ赤なので、驚いて緊急で受診します。救急車で来る人もたくさんいますが、結膜出血は様子を見ながら徐々に回復するのを待つのが基本です。失明したり、後遺症を残すことはまれなのです。