ケネディ起用で超党派色を打ち出す狙い

 またトランプ氏は、故ロバート・ケネディ司法長官の息子であるロバート・ケネディ・ジュニアを保健福祉長官(Secretary of Health and Human Service)に指名し、政権の目玉の一つである医療・薬価政策を任せることを決めたようだ。

 ケネディ氏は弁護士として長年、環境、医療・薬品問題に取り組んできた。

「反ワクチン活動家」として知られ、新型コロナウイルスのワクチンの接種に反対、バイデン政権のコロナ政策に異議を申し立てきた。

 同氏は、ワシントンのエスタブリッシュメント(エリート官僚集団)に並々ならぬ対抗心を抱いている。その点では、トランプ氏と意気投合している。

 2024年4月、民主党から大統領選予備選に立候補したが、ケネディ一族からの支持は得られておらず、メディアも泡沫候補扱いしてきた。

 4月15日にはトランプ陣営より副大統領候補となるよう打診されたが、拒否したと主張(トランプ陣営は打診そのものを否定している)。

 ケネディ氏は8月23日、「もはや勝利への現実的な道があるとは思わない」として、選挙戦から撤退した。

 同氏は選挙戦から完全に撤退はせず、一部の州では投票用紙に自身の名前が載るようにする一方、接戦州については削除するよう要請していた。

 専門家の中にはケネディ氏の推薦がハリス氏の支持基盤の一部を突き崩したと見る向きもある。

 トランプ氏にしてみれば、ケネディ氏を閣僚にすることで、同政権の「超党派色」を打ち出す上で役立つ。

 トランプ氏周辺は、ケネディ氏は保健福祉長官として、オバマケア(国民皆保険制度)の見直し、同制度に対するサイバー攻撃対策(AI導入などを含む)、メディケア適用の薬価問題などに取り組むことになるだろうとしている。

pbs.org/health-officials-concerned-about-rfk-jr-s-influence-in-trump-administration