エリートをKOしたヒルビリー・パワー

 今回の選挙は、民主党候補と共和党候補の政治対決という単純な構図ではなかった

 保守、リベラルに分裂する米国で、両者の政治スタンス、社会認識が激突する「Culture War」(文化戦争」だった。

 それは高学歴・高収入の都会派エリート(人種を超えて)と低学歴・低収入のヒルビリー(田舎者)との「階級闘争」でもあった。

 後者にはトランプ氏の大企業向け優遇税制、規制緩和政策の恩恵を受けようとする億万長者が応援した。

 保守系ケーブル・テレビはトランプ支援の広報機関を演じた。

 選挙では保守(トランプ支持派)が勝ったが、負けたリベラル(ハリス支持派)が歩み寄る気配はない。

 各地で暴力沙汰が起こり、銃口がトランプ氏を狙うのは必至の状況になってきた。