戦略ミサイル基地を視察する金正恩朝鮮労働党総書記。日時は不明。朝鮮中央通信が10月23日に報じた(写真:朝鮮通信/共同通信イメージズ)
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ロシアによる技術提供のたまもの

 10月31日午前7時13分、8時5分、9時59分と、防衛省が3度にわたって緊急発表した。そのうち3度目の発表は、以下の通りだ。

<北朝鮮は本日7時11分頃、平壌近郊から、少なくとも1発のICBM級弾道ミサイルを、北東方向に向けて発射しました。詳細については現在日米韓で緊密に連携して分析中ですが、発射された弾道ミサイルは、過去最長の約86分飛翔し8時37分頃、北海道の奥尻島の西方約200kmの日本海(我が国の排他的経済水域(EEZ)外)に落下したものと推定されます。飛翔距離は約1,000km、また最高高度は過去最高で約7,000kmを超えると推定されます……>

 北朝鮮が、またもやミサイル実験である。10月18日以来、約2週間ぶりで、今年すでに12回目だ。しかも、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射は、今年初めてである。石破茂首相は、直ちに国家安全保障会議を招集。日本海で起こった状況を確認し、対応を協議した。

 今回のICBM発射の特徴は、ロフテッド方式(通常より高度を上げて故意に飛距離を短くする方式)で、過去最高の約7000kmまで高度を上げた点にある。飛行時間も1時間26分と、過去最長だった。

 日本海に落下したが、日本のEEZのすぐ外側に落下させるなど、飛行技術の向上が顕著である。おそらくロシアから、最新技術の提供を受けているものと思われる。