11月1日付『労働新聞』は、発射したのが新型の大陸間弾道ミサイル「火星砲-19」だったこと、最大定点高度7687.5km、飛距離1001.2km、飛行時間5156秒(1時間25分56秒)だったこと、金正恩委員長と娘の珠愛(ジュエ)氏が発射に立ち会ったことなどを伝えた。

10月31日、最新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星砲19」型の発射直後の様子をじっと見守る金正恩朝鮮労働党総書記と娘ジュエ氏のバックショット(写真:朝鮮通信/共同通信イメージズ)
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トランプ当選なら「ドカーン!」か

 ここからは、私見だ。北朝鮮の独裁者・金正恩国務委員長は、11月に、もっと恐ろしいことをたくらんでいる可能性がある。

「ドナルド・トランプよ、大統領選挙の勝利おめでとう。4回目の再会を心待ちにしているぞ!」

 ドカーン!!

 金正恩委員長は、こんな感じで7回目の核実験を強行するのではないだろうか。つまり、来週5日のアメリカ大統領選で、トランプ前大統領が勝利したら、核実験にゴーサインを出すということだ。実際、すでに豊渓里(プンゲリ)の実験場では、実験の準備を終えていると、韓国政府は伝えている。

 では、もしもアメリカ大統領選で、金正恩委員長を「独裁者」と呼んではばからないカマラ・ハリス副大統領が勝利したなら? それなら、おそらく核実験は見合わせるのではないか。

 現在のジョー・バイデン政権は、この4年弱、北朝鮮に対して「戦略的忍耐」(strategic patience)と呼ばれる方針をとってきた。これは、自ら副大統領を務めたバラク・オバマ政権の方針を踏襲したもので、「戦略として我慢する」、すなわち北朝鮮を無視するということだ。