公共交通の「種類」と「運行間隔」で駅・停留所をランク分け
横方向が、駅や停留所にどのようなサービスが来ているかを分類したもので、その駅・停留所に発着するサービスで最もランクの高いものから決める。
縦方向が運行間隔である。これは、まず午前6時から午後8時までに発車する全方面の全サービスの本数を総計し、それを2で割ることで上りと下りの平均本数を算出する。
午前6時から午後8時までは14時間、すなわち840分なので、この上下平均を840で割れば、平均運行間隔が求められる。
平均運行間隔のクラス分けは7段階であるが、短いところほど「10-20分間隔」のようにきめ細やかに区分され、長くなると「60-120分間隔」のように大雑把になる。
やや専門的に言えば指数関数的に区分が設定されているのだが、これによって「程度」を表すようになっている。
また、オーストリア方式では平均運行間隔が210分(3時間30分)を超える場合は、一日4本に満たない場合に該当するが、この場合は「ランク外」である。ちなみにスイス方式だと平均運行間隔60分以上、要するに1時間以上あく場合は「ランク外」である。
サービスの種類が4種類、平均運行間隔の分類が7段階あるから、組み合わせは28通りもできることになる。しかしこれではわかりにくいし、議論や政策づくりにも使いづらい。
そこで、おおむね同じサービス水準の駅・停留所といってよいところを、同じランクとしてまとめる。オーストリア方式では、例えば、バスが10分間隔で来る停留所と、快速列車が30分間隔で停まる停留所は、どちらも同じランクとしている。
合計で8ランクあり、ローマ数字でIからVIIIまでを割り振っている。
何と何が同じクラスかを決めるのは簡単ではないし、そのための計算式があるわけでもない。この分類は専門家も含むステークホルダーによる長い議論で決めたものであり、「えいや」と適当に決めたわけではない。
この参画と議論を通じて決める方法で、結果的には、直感とよく合うクラス分けを導き出している。