駅・停留所のサービス水準を2つの情報で分析

 オーストリアやスイスの方式は、この2つの弱点をスタート点にして、全国一律で地理情報として図示して可視化できるようにしたことが特徴である。以下では、オーストリア方式を参照しながら詳しく見ていく。

 PTSQCの考え方はこうである。

 まず、「点」、すなわち駅や停留所をクラス分けする。その際に2つの情報を参照する。

 1つは、「駅や停留所にどのような公共交通サービスが来ているか」である。仮に運行間隔が同じだとしたら、バスしか停まらないバス停よりは、路面電車の停留所のほうがよいだろう。

 それよりは各駅停車の停まる鉄道駅の方がよいし、快速列車や特急列車が停まる鉄道駅はなおよい。これが最初のスタート点になる。

 第2は運行間隔である。間隔が短ければ短いほど、サービス水準が高いというのは直感的にわかるだろう。逆に間隔が長くなればなるほど、サービス水準は落ちる。1日に3~4本しか来ないのでは、サービスレベルはかなり低い。

 この2つの基準から導かれるのがPTSQCの「駅・停留所クラス」である。オーストリア方式の例を示したのが表だ【次ページ参照】。