まずは食堂車と寝台車の運転を
——やはり利用者や競合の変化に合わせて鉄道会社も変わっていかなければならない。その知恵が問われているわけですね。かつて鳥塚さんは、いすみ鉄道でグルメ列車「レストラン・キハ」を走らせました。大井川鐵道でも列車で食事を楽しめる「食堂車」を運転してみたいと話していました。
鳥塚氏:今年の12月ぐらいからスタートできるように、いま準備を進めています。業者を選定して、お弁当箱をどういう形にしようか、そんな検討を始めています。
地元の「認定シェフ」がいるので、監修してもらい静岡の季節の料理を提供します。
食堂車に使用する客車は、ハウスクリーニングの業者さんにお願いして、徹底的にきれいにします。車両が古くてもいいんです。古いことと、汚れていることは別です。
——家族全員で鉄道が楽しめるようになるといいですね。
鳥塚氏:食堂車だけではなく、寝台車も可能性があるとみています。もし、家族の誰かが列車の中で眠りたくないと言ったら、沿線の旅館に泊まればいいんですよ。寸又峡でもいいし、千頭だっていい。
寝台車にコンパートメントをつくって、テーブルを付ければ、そこで食事が出せますよ。グループの貸切にしてもいい。夜は、浴衣もタオルも用意します。駅弁が食べたい人は夕食に駅弁を選べばいいし、川根温泉ホテルで食事をしてもいいかもしれない。