鉄道はコンパクトシティの特徴
鳥塚氏:極論めいた話ですが、町の真ん中に駅があって、そこに列車がくれば、たとえその列車が円形の線路を一周してまた元に帰ってくるだけだとしても、それが人の心を支えることができるのではないでしょうか。駅に人が集まって、駅前には食堂があって、それだけでも事業化する、というセンスが問われているのではないかと。
——遊園地の汽車のようなものですね。
鳥塚氏:まあ、半分は冗談としても、鉄道をコンパクトシティの象徴と捉えてもいいのではないかと思います。
沿線で農作物を作って運んだり、エンターテインメント事業をやってお客さんを運んだり、そういうさまざまな事業の核が鉄道なのだと考える。昔の枠組みにとらわれず、鉄道を一つの看板と考えて、それを軸にして事業を展開する。そういうふうに考えることができる企業が日本に現れてもいい時期なのではないでしょうか。
私は、そのような方向にこそ、日本でローカル鉄道の生き残る道があるように感じています。