CX-5のアウトドア志向モデル「Field Journey」。東京湾の近くにて(写真:筆者撮影)

マツダの人気車種「CX-5」は今後、モデル継続されるのか、それとも「CX-60」とモデル統合されてしまうのか?自動車関連メディアではこれまで、憶測によるさまざまな情報が流れているが、マツダからは正式なコメントは出ていない。最新のCX-5を試乗し、行方を考察してみた。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 グローバル市場において、CX-5はマツダにとって重要なモデルである。それだけに、2010年代後半から2020年代にかけてのマツダの商品構成が変化する中、CX-5の継続についてユーザーや販売店からの関心が高まっている。

 そうした中、今回は「マツダファンフェスタ2024」(10月19〜20日、富士スピードウェイ)を取材し、マツダの現状と次世代技術についてマツダ関係者らとざっくばらんに意見交換した。

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 首都圏から富士スピードウェイまでの往復には、アウトドア志向モデル「Field Journey」を試乗した。エンジンはSKYACTIV-D(2.2Lディーゼル)で駆動方式は4WD(四輪駆動車)だ。

試乗車はSKYACTIV-D (2.2Lディーゼル)搭載(写真:筆者撮影)

 ハンドリングはマイルドだが、乗り心地はしっかり感があり、一般道でも高速道路でも実に扱いやすい。

 ただし、CX-60やCX-80と比べると、FFのAWDであることもあり、どっしりとはしているものの、クルマの重心がやや高いように感じた。

 また、高速道路走行時に使用した、前車を追従したり、車線逸脱を防止したりする先進運転支援システム「i-ACTIVSENSE」については、CX-60から改良されたCX-80の精度の高さを再認識した。

 燃費については、車載表示で17.6km/Lで、500km超えでも燃料メーターの針は半分程度にとどまっていた。

 CX-5というと、いわゆる都会派SUVのイメージが優先する。だが、マツダ社員のCX-5ユーザーの中には趣味でアウトドアを楽しむ人もいる。当時のCX-5開発主査は「CX-5の商品性の幅を広げるために是非、トライしてみたいと考えた」とField Journeyというグレードの商品企画について語っていたことを思い出す。

 4WDについては初代CX-5では、いわゆる生活四駆という位置付けだった。CX-5は都会派SUVとしてあくまでもFF(前輪駆動車)が主流であり、4WDは雪道に対するバックアップというイメージがあったのだ。

 そこでマツダは、現行の2代目CX-5の市場導入に際して、北海道・旭川北部の剣淵試験場で報道陣向けに雪上取材会を実施した。

 筆者は、i-ACTIV AWD技術、GVC(Gベクタリング・コントロール)技術、そして走る・曲がる・止まるというトータルでの走行性能のつくり込みについて、開発者との意見交換などを通じてマツダの4WDに対する理解を深めた。

 そんな2代目CX-5は、2017年前半の発売から早くも8年近くが経過している。