CX-5はCX-60に統合されてしまうのか?

 各種の改良があったとはいえ、マツダの現行SUVの中では古株だ。さらにいえば、2012年に発売された初代CX-5の流れを汲むため、そろそろフルモデルチェンジが求められる時期であることは確かだ。

 CX-5のフルモデルチェンジの可能性を考える上で、マツダの各モデルが大きく3つに分類されていることを確認しておきたい。

移動中、町中の神社の前にて(写真:筆者撮影)

 1つ目が、初代CX-5を皮切りに展開を始めたマツダ第6世代をアップデートしているFFで、現行SUVでは「CX-5」や「CX-3」が該当する。

 2つ目が、2019年の「マツダ3」から導入された「スモール商品群」で、SUVでは「CX-30」や海外向けの「CX-50」がある。

 そして3つ目が、2022年登場の「CX-60」から始まる「ラージ商品群」で、こちらはFR(後輪駆動車)だ。日本では先日試乗した「CX-80」があり、海外では「CX-70」と「CX-90」がある。

 こうしたマツダのモデル展開の中で、CX-5がCX-60とモデルとして統合されてしまうのではないか、という噂が2020年代前半に市場に広まった。

 マツダの販売店では、そうした噂を鵜呑みにするセールスマンもいたほどだ。

試乗車のインテリア(写真:筆者撮影)

 だが、CX-60の登場時点で、マツダはCX-5を継続するとした。

 一方で、CX-5の3列シート車であるCX-8についてはCX-80登場を踏まえて生産を終了している。そのため、CX-5についても現時点ではCX-60と併売を続けているものの、どこかのタイミングで生産中止になるのではないか、という噂もある。

 この点については、CX-80の試乗会でマツダ側に確認したが、そもそもCX-8はほぼ日本市場向けに企画されたモデルであり、販売実績はマツダの想定を超えて順調だった。その上で、CX-80を欧州やオーストラリアなどでも展開する中で、商品性として日本市場にもマッチするものとしてCX-8の後継車としている。

 これに対して、CX-5は初代からグローバルモデルであり、現時点でもCX-60とのすみ分けはできているという認識であり、CX-5とCX-60の併売については順当という見方を示している。

 では、ここからは、あくまでも私見だ。