今年の訪日客は3500万人を超える可能性

 コロナが明けた日本には、猛烈な勢いでインバウンドが押し寄せている。

 もともとインバウンドは右肩上がりの傾向を續けていたが、急速に増え始めたのは円安が加速し始めた2013年頃からだった。そして、コロナ前の2019年度は約3200万人と過去最高を記録した。

 ところが、コロナ真最中の2021年度は24万人と、ほぼセロまで落ち込んだ。しかし、2022年末からのコロナ対策緩和と並行して急速にインバンドは回復。

 2023年度は中国の不景気と福島第一原子力発電所処理水問題で中国からの観光客が回復しなかったため、2500万人とコロナ前の2019年の80%にとどまったとはいえ、今年、2024年度はすでにコロナ前以上の勢い。

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 9月の訪日外客数は287万人で、1月からの累計で2688万人を突破。

 すでに昨年の数字を超えており、このペースでいけば、年間3500万人を超えると予想されている。

 岸田文雄前首相は2023年度のインバウンド消費額目標を5兆円と想定したが、フタをあけたら5兆3000億円と3000億円も増加した。

 1月から9月までの消費額はすでに5.8兆円となり、このままいけば8兆円を超えてもおかしくない。

 昨年の観光消費額は約27兆円だが、その5分の1がインバウンドによるもの。

 残念ながら今後国内消費(22兆円)は増えないと予想されるので、仮に国内消費の総額が同じだとしたら、2024年度は4分の1以上がインバウンドによる消費額になる計算だ。

 その数字は、ここ数年のインバウンドを対象とした調査でも裏付けされている。