4継は早大と東洋大が“学生新バトル”

 男子4×100mリレー決勝は関東の8校がスタートラインに並んだ。先制攻撃を仕掛けたのが東洋大だった。2走・栁田大輝(3年)が「パリ五輪より良かったかな」という加速を見せると、トップで第4走者にバトンが渡る。

 ホームストレートでは逃げる東洋大を早大が追いかけた。両者の差はグングンと詰まっていき、最後は井上直紀(3年)が逆転に成功。早大が38秒45の学生新記録で大接戦を制すと、東洋大も従来の学生記録(38秒54)を上回る38秒47をマークした。

 井上は100mの全中王者で中学時代から同じ群馬の栁田とライバル対決を繰り広げてきた。昨年の日本インカレは故障の影響で欠場したこともあり、4×100mリレーは東洋大(早大が2位)に栄冠を譲っている。

 今回は個人100mで栁田に敗れたが、準決勝(10秒18)と決勝(10秒13)で自己ベストを更新。自信を胸に“アンカー勝負”に臨んでいた。

「今年はレベルが高く、難しい展開を予想していましたが、『逆転できる』と思っていました。学生記録を取り返しての3冠を狙っているので、とてもうれしいです」

 早大は東洋大の連覇を阻止して、リレー3冠(関東インカレ、日本インカレ、日本選手権リレー)に王手をかけたことになる。そして井上も来年の東京世界陸上で4×100mリレーのメンバー争いに絡んでくるスプリンターだ。

 今年の日本インカレで活躍したアスリートたちが2028年ロス五輪を沸かせてくれるだろう。