最後のインカレとなった鵜澤が200mで優勝

2024年9月22日、日本インカレ、男子200m決勝で優勝した鵜澤飛羽(筑波大) 写真/千葉 格/アフロ

 100mで完敗した鵜澤はメイン種目の200mで挽回する。準決勝3組は20秒97(-1.5)の3着となり、決勝はカーブの厳しい1レーンに入った。それでもレベルの違いを見せつけて、20秒64(+0.6)で2年ぶりの優勝を果たした。

「自分のせいで1レーンに入ったので、どういうレースをするのかアップ時に考えました。前半から行こうとすると、大きな動きになって、後半はスピードが上がらないことがよくあるので、前半はできるだけ小さく走って、後半頑張りました。ゴールした瞬間はいろんな感情がこみ上げてきましたね」

 鵜澤は高校2年時にインターハイの100mと200mを制した逸材。大学1年時の関東インカレ100mで2位に食い込むも、左ハムストリングスに肉離れを起こした。なかなか完治に至らないなかで競技を続けて、ブダペスト世界陸上とパリ五輪に出場した。苦難と栄光を経験した大学4年間に特別な思いを抱いている。

「最後のインカレは100mとリレーが駄目だったし、決勝を走る予定だったマイルは予選で落ちてしまった。ちょっと寂しいですけど、いい4年間でしたね。本当にいろんなことがありましたから。なかでも2年時の日本インカレのリレーで優勝したのは印象に残っています。チームで応援してもらえるインカレでしか得られない栄養がありました」

 鵜澤が2走で出走した4×100mリレー。筑波大は7位に終わったが、スタジアムは大歓声が響いていた。