人間関係から「降りる」という選択

河田:そうですね。少数派であることは間違いないとは思いますが、年々増えてきているという実感は私もあります。

 ひとりで生きていくことがさほど難しくなくなってきた、という事実が関係しているのではないでしょうか。服は別に低価格品でもいいし、ひとりで住むなら50平米のマンションの1室で十分に生活できます。

 結婚して子どもを持つと人間関係のややこしさも増えるでしょう。ママ・パパ友との付き合いで、他所の家庭と比べる機会も出てきます。

──Aくんの家に遊びに行ったけど、良いオーブントースターを持っている、ウチも買わなきゃ、みたいな(笑)

河田:そうそう(笑)。そうなると、どんどん生活費を上げなきゃいけなくなるし、他人と比べるという行為そのものが、ストレスフルですよね。単身世帯であれば、そんな経験をせずに済みます。

──単身世帯の増加は、日本だけでなく、アメリカも同様です。1960年には13%だった単身世帯が、2022年には29%に増えています。

America’s Family’s and Living Arrangements