同級生の竹原梅子(平岩紙)は寅子にとって家族同然の道男(和田庵)と甘味処兼寿司屋を開く。ビジネスパートナーとなった。同級生のチェ・ヒャンスク(ハ・ヨンス)は親の反対を押し切って裁判官・汐見圭(平埜生成)と国際結婚した。

朝ドラ「虎に翼」公式Xより
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 同級生で弁護士の山田よね(土居志央梨)の場合、カフェ勤めで色恋沙汰をさんざん見たため、恋愛への興味を失い、シングルを貫いている。結婚に拘っていない。

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 吉田氏は登場人物に憲法13条が保障する幸福追求権を与えた。自分の人生をどのように生きるかについての自己決定権を保障した。これには性や家族のあり方に関する決定権も含む。

 第13条は「法の下の平等」の14条とともに、寅子が第44回で目にして、涙した条文である。このドラマは憲法の精神が浸透している。

寅子と桂場、避けられない対立

 男女差別が当たり前だった戦前に青春期を送った寅子にとって、新憲法は光り輝く宝物に違いない。何度も条文を口にしてきた。原爆裁判中にも「なぜ、いつも国家の名の下で個人が苦しまなくてはならないの」(113回)と不満げにつぶやいたが、これも背景には憲法前文の主権在民がある。

 一方、明治期生まれの桂場にとって、憲法に思い入れはなく、単なる法律に過ぎないのではないか。桂場が憲法について語る場面もなかった。憲法への思いの違いもあってか、2人は最終回に向かって衝突する。

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