プーチンを大歓迎したモンゴル

 モンゴル政府は、ウランバートルに到着したプーチンを大歓迎した。モンゴルは、ソ連邦の崩壊とともに、1990年に民主化し、社会主義を放棄した。

 しかし、旧ソ連時代からロシアとは関係が深く、今もなお石油や石油製品の9割をロシアから輸入している。2023年のモンゴルの輸入額国別ランキングでは、1位が中国で40.5%、2位がロシア25.8%である。3位は日本で7.7%である。

 石油という生命線をロシアに握られている以上、モンゴルは、ICC加盟国の義務よりも国益を優先せねばならない。モンゴルのオフナー・フレルスフ大統領は、両国がエネルギーや経済分野で協力することをプーチンと確認した。

9月3日、ウランバートルで公式歓迎式典に出席したロシアのウラジーミル・プーチン大統領とモンゴルのフレルスフ大統領(写真:写真:代表撮影/ロイター/アフロ )

 これからもICCは、期待された役割を果たすのがますます困難になるだろう。これまでもICCが捜査したのはアフリカ、中東、アジアの国々であり、西側先進国は「優雅なる無視」を決め込んでいる。