「前人未到のことをやるのが井上尚弥の役目」

 ただし、井上選手がスーパーバンタム級に留まる時間もそう長くはない可能性もある。

 複数のメディアによると、井上選手は2日の前日計量後、「数年後に(一つ上の階級である)フェザー級を見据えるには、まだまだスーパーバンタム級でやっていかなくてはいけないことはあると思う。そこに向き合っていかないと成長もない」と次の階級も意識の中にある。

 今回の一戦では、前日計量から自己最高の7.4キロ増の62.7キロで臨んだ。これは4階級上のスーパーライト級に相当する。これは、ドヘニー選手が計量後に大幅に増量(今回も11キロ増)してくることを見越しての対応とも見られるが、試合後の会見では「今回は意図的に増やせるだけ増やしてみた。ボクシングスキルが落ちない程度に、どこまでリカバリーできるかを試してみた」と意図を説明した。

 さらなる更新が期待される世界戦通算勝利&連続KO記録、さらに来年のラスベガス興行、再来年以降の5階級制覇へ向けたフェザー級転向・・・。

 大橋会長が「前人未到のことをやっていくのが、井上尚弥の役目」と期待するように、現在進行形で次々と歴史的な扉をこじ開けていくことになりそうだ。