4.戦争初日に対レーダーミサイル攻撃

 ロシアが侵攻した2022年2月24日の朝、ウクライナの監視レーダーがロシアのミサイル攻撃で破壊され、燃えている映像が世界中に流れた。

 私は、対空レーダーすべてが破壊されて、ロシアが完全に航空優勢をとるだろう思っていた。

 確かに、ウクライナ軍の防空レーダーのいくつかは破壊されたが、多くは生き残っていた。

 ウクライナは、ロシアの対レーダーミサイル攻撃を予想して、それをこれまでの位置から取り外し、隠していたのだ。

 そして、破壊を免れた。すべてのレーダーが破壊されていれば、ロシアはその時点でウクライナを占領していただろう。

 現在では、侵攻当初と異なり、ウクライナがロシアの防空兵器を多数破壊している。

 ウクライナは、「ミグ29」機を対レーダーミサイル攻撃ができるように改良して、ロシアの「S-300/400」防空ミサイルを破壊しているのだ。

 ロシアの防空ミサイルは、「飛翔してくるミサイルを破壊できる」と公表されていた。

 実際は、対レーダーミサイルや巡航ミサイル攻撃を阻止することができず、撃破されている。

 これは、平時にエリント衛星と情報収集機が収集していたロシアのS-300/400の捜索レーダーの電子信号を米軍が解析していたので、その位置データを改良したウクライナのミグ戦闘機に入れて攻撃し、対レーダーミサイル攻撃に成功しているものと考えられる。