極暑、大雨、霧、雹(ひょう)など、極端な天候下であっても、安全かつ信頼性の高いサービスを提供できるという。この最新技術は現在もテスト中で、近い将来、利用者に提供される予定だとしている。

 米CNBCによれば、ウェイモが現在、自動運転技術による乗客輸送サービスを展開している都市は前述した、サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックスのほか、米南部テキサス州オースティンである。このうち、サンフランシスコでの乗車件数が最も多い。

 同社は現在、約700台の車両を保有しており、米国で唯一の商用配車サービスである「Waymo One」を運営している。これまでの約2380万キロメートルに上る、乗客のみの走行において、事故を回避する能力が人間のドライバーに比べ3〜3.5倍優れていることが分かったという。

 親会社の米アルファベットは24年7月、ウェイモ事業に50億ドル(約7300億円)を追加投資すると明らかにした。

自動運転市場の競争激化へ

 こうした追加投資や新技術の開発は、ウェイモにとってますます重要になる。なぜなら、この市場は今後、競争が激化していくとみられているからだ。

 米テスラのイーロン・マスクCEOは、24年10月にロボタクシーに関する計画を発表するとみられる。米ゼネラル・モーターズ傘下の米GMクルーズは23年に起こした人身事故を受け、サービスを中断しているが、まもなく再開する見通しだ。米ウーバーテクノロジーズは24年8月22日、GMクルーズと提携すると発表した。25年に米国の一部地域で、ウーバーの利用者がクルーズの自動運転車両を呼べるようにする。

 米アマゾン・ドット・コム傘下の自動運転技術開発企業、米ズークス(Zoox)は24年6月、オースティンとフロリダ州マイアミで試験走行を始めると発表した。中国の自動運転技術スタートアップ、文遠知行(WeRide、ウィーライド)は24年7月に米国で新規株式公開(IPO)を申請した。ロイター通信によれば、ウィーライドは24年8月、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)から客を乗せた無人運転試験走行の認可を受けた。