写真はアリゾナ州でのデモの様子(写真:ロイター/アフロ)

 米グーグル系自動運転開発会社のウェイモが、米カリフォルニア州サンフランシスコ市街地で「ロボタクシー」とも呼ばれる、自動運転の配車サービスを始める。米ウォール・ストリート・ジャーナルロイターなどが8月24日に報じた。

オペレーター乗車の自動運転サービス

 まず、試験運用という位置付けで、専用アプリ上で参加者を募る。乗車料金は無料だが、ウェイモと秘密保持契約を結ぶ必要があり、乗車体験を口外したり、ソーシャルメディアに投稿したりすることはできないという。

 当初使用する車両は英ジャガー・ランドローバーの電動SUV「I-PACE(Iペース)」。運転席にはオペレーターが座り、予測不可能な状況に対応できない場合はシステムに代わって操作する。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ウェイモは配車サービスの市場規模が大きい世界10都市の約半分をカバーしたい考え。アナリストらの試算によると、車両に搭載されるカメラやレーザー技術などのハードウエアにかかる費用は1台あたり20万ドル(約2200万円)超。この費用を低く抑えることができれば、車両の維持・拡充に必要なコストを乗車料金で賄うことができるとウェイモの幹部は考えているという。

アリゾナ州では無人サービス一般提供

 ウェイモは2018年12月から「Waymo One(ウェイモ・ワン)」と呼ぶ一般客を対象にした自動運転の配車サービス事業をアリゾナ州で行っている。

 利用客がアプリを使って車両を呼び、目的地までの移動に利用するもので、営業体制は24時間、年中無休。サービス対象地域は、アリゾナ州フェニックスと周辺のチャンドラー、メサ、テンピ、ギルバート。

 19年10月にはフェニックスでオペレーターが乗車しない、完全自動運転の配車サービスを一部利用者を対象に開始。その1年後の20年10月に同都市で無人運転サービスの一般提供を開始した。

 一方、同社は2009年からサンフランシスコ市の公道で、客を乗せない試験走行を行っている。現在は週に10万マイル(17万キロメートル)以上走行しているという。だが、サンフランシスコの交通状況はアリゾナ州の郊外とは異なり複雑。ウェイモにとって新たなチャレンジになるとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。

 19年から20年9月までの期間、同社の自動運転車はフェニックスの都市部で計18件の交通事故を起こした。他車のほか、歩行者や自転車との衝突事故だったという。

積雪に対応できず、NYでは実現不可能

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ウェイモがこのサービスを全米規模で展開するためには気の遠くなるような作業が必要になると元幹部は話している。自動運転サービスを実現するには、地域ごとに詳細な走行データを記録したり、システムをトレーニングしたりして地域の交通ルールを徹底的に把握しなければならないからだという。

 ニューヨークは世界最大級の配車サービス市場。ただ、ウェイモの自動運転技術はまだ積雪に対応しておらず、米北部での展開は遠い夢。同社は当面、ジョージア州アトランタやテキサス州オースティンなど南部サンベルト地帯での展開に重点を置いていると同紙は報じている。

 (参考・関連記事)「グーグル系のウェイモが無人タクシーの試験サービス | JBpress